「はなまっぷ写真教室」に参加 ―国営昭和記念公園花みどり文化センターー

“はなまっぷ”の主催する写真教室に参加

国営昭和記念公園花みどり文化センターで開催されている「国営公園はなまっぷ展」(10/17~11/2)のワークショップに参加した。テーマは、「スマホのカメラで学ぶはじめての写真教室」。何と参加費300円で90分のワークショップ。定員15名の先着順ということで昼食もとらずに駆け付けた。

講師は「はなまっぷ」代表の若々しい後藤有紀さん。写真教室の冒頭「日本で一番、花の写真を見ているのは私です」との自己紹介に驚いた。何万という写真家が活躍する世界で良く言い切れるな―と思いながらも“はなまっぷ”って何のグループなんだろうと興味を持った。

後藤有紀さんは、SNS・書籍・TV・イベントなどで、写真を通して日本の花風景の美しさを広めるために活動中。自身もインスタグラマーとして北海道から沖縄まで、日本中の花風景を訪れ撮影している。

*はなまっぷ日本の美しい花風景と花の写真を撮ることの楽しさを広めたいと、2015年に三重県に住む後藤有紀さんが創設。現在は、インスタグラムで全国の愛好家から寄せられた花写真を紹介している。フォロワー数80,000人。200万枚の花の写真が集まる「♯はなまっぷ」。確かに日本一、花の写真を見ているに違いない。写真展等のイベントを各地で行う他に、花の名所へのハイキングや登山の企画、また花をテーマにした観光事業にも取り組んでいる。今回の「国営公園はなまっぷ展」も全国の国営公園とジョイントし紹介することによって日本中を旅行した気分にさせてくれる。昭和記念公園近くの大型書店「オリオン書房」ともタイアップし「はなまっぷ」発行の書籍の特設コーナーが設けられているのにも驚いた。(「100年後まで残したい! 日本の美しい花風景」1年中楽しみたい!日本の美しい花暦」) InstagramHPTwitterYouTube

写真教室では、20分程度の座学の後、昭和記念公園内を撮影しながらの実地指導となった。印象に残る後藤有紀さんのアドバイスをお伝えしたい。後藤さん自身が撮影した写真を掲載できないのが残念だが、拙い“一日生徒”の私の写真(アイフォン7)の変化(アドバイス前と後)で写真教室の魅力をお伝えできればと思う(青字は、私の心の声)

 

構図が写真を決める! -露出やシャッタースピードではないー

「露出やシャッタースピードは自動モードがありカメラまかせにできるが、構図は撮影者自身が決めるしかない。カメラマンの意図は、構図で決まる。構図の代表的なスタイルを学べば写真表現が一段と良くなりますよ。」  (決め手は、構図なんだ。高額のカメラでなくても良い写真が撮れるんだ。)

三分割構図:9つのブロックや交差点にテーマを置くとバランスが良くなる
放射線構図:立ち位置とアングルを変えれば放射線が描ける
額縁構図額縁構図と言っても囲む必要はありません。ラインをキレイに
シンメトリー(左右上下対象)ガラスに映る景色を撮ってみよう レンズをガラス側に!
対角線構図:ナナメを意識しよう アングルを変えればナナメが見えてくる
三角構図:真ん中に三角を置く必要はない
日の丸構図:素材が語りかけてきます。背景にも気を配ろう
S字構図Sがはっきりと意識できる地点を探そう

ナナメに構えても良い! -水平に構えるだけが能じゃないー

「スマホだからアングルは、自由。モチーフが最も生きる角度にスマホを持ち替えましょう。カメラを水平に構えるだけが能ではない。ナナメでもいいんです。被写体が一番撮られたい位置を探すんです。」 (主役は、モチーフなんだ、自分の主張を出すだけが写真じゃない。芸術家気取りはやめよう。)

マクロで世界が変わる! -スマホならお手軽にレンズ変更ー

「一眼レフでは、何万円もするマクロレンズがスマホなら数千円で実現。ボケも表現できますよ。」

 (今度、試してみよう)

 

 

あえて離れて望遠で撮る ー遠近法からの脱却ー

「遠くの位置から、あえて拡大ズームで撮影することで遠近感がなくなり素材が浮き出る。」

(なるほど、西洋画の立体的な遠近法と日本画の平面的な遠近法の違いを感じることができるんだ)

環境で魅せる! -モニュメントに季節感を与えるー

「モニュメントだけを写すより、回りの環境や空間を入れることでよりモニュメントの魅力が引き出せる。 “彼方へ”では、回りの空間(空や木)を大きく撮ることで作者の意図をもっと引き出せる。もし、鳥が飛んでくれば更に面白いかもしれない。裸婦像では、そばの椿の花の咲く頃に合わせて撮ればより美しくなるし季節感も表現できる。」 (モニュメントの魅力が倍増するね。再発見です)

カメラを持たなくてもいいんです!-地面にスマホを置いて撮る

「スマホのセルフタイマー機能を使えば、構えなくても撮ることができます。スマホを地面に置き自分撮りにして見上げるように撮ってみてください」

日記プラス

『ただ、目の前の人を喜ばせたいだけです』との梨の妖精“ふなっしー”の言葉に、後藤さんは心を打たれたという。「私にとって人を喜ばすことのできるのは“花”だ!」と“はなまっぷ” を始めた動機を語る。“ふなっしー”との出会いが後藤さんの人生を変えたのだ。花を通して、自己を表現するのではなく花そのものの魅力を伝えたいという後藤さんの思いが詰まっているのが“はなまっぷ”初著作の「100年後まで残したい! 日本の美しい花風景」。後藤さん自身がインスタグラマーとして数多くの写真を撮っているにもかかわらず、掲載している自身の写真はわずか1枚。全国175人の投稿された花を愛する人々の美しい心のモザイクを見るような写真集となっている。不思議な幸せ感が沸き上がる。(2020.11.2)