矢川緑地を訪ねて ー東京湧水57選ー
先日、昭島の龍津寺(りゅうしんじ)の湧水の美しい景観に感動したので、同じく東京湧水57選の一つ立川市の矢川緑地の様子が気になって訪れてみた。ここは、国木田独歩が「武蔵野」に描いた自然が息づいており、東京都の緑地保全地域として指定された雑木林の有り様に心が安らぐのを覚えた。雑木林と言っても人の細やかな手入れがあってこそ保たれている。立川には、街中にあってもこうした「里山(さとやま)」が点々と存在しており面白い。
矢川緑地(立川市羽衣町3丁目)
羽衣町の南端に位置し、国立市と隣接している。貴重な自然の残る約2.1ヘクタールの緑地。この緑地は、立川段丘を水源とし、立川市の東南部から国立市の西南部を流下して、青柳段丘崖先で谷保用水に合流する延長約1.3キロメートルの矢川を中心とし、隣接して上流部南には湿地帯、下流部北に樹林地が広がっている。その周辺には湧水が随所に見られ、また矢川にはミクリなどの貴重な水生植物、湿地帯では木道を歩きながら湿地性の草本類を見ることがでる。樹林地は、シラカシ、ケヤキ、コナラ等を中心に構成される林となっている。